ICTビギナーの方へ

更新日 2019年3月19日

ICTビギナーの方へ

社会を支える様々な情報サービスを提供するICT(IT)。
AIなどの新しい技術を受け、ICTサービスの需要はさらに高まっています。仙台圏では約540社ものICT企業が活動しています。

そんなICT業界で見かける「未経験者歓迎!」に興味があっても、本当に大丈夫なのか不安な、非情報系出身の未経験者の方も多いかもしれません。

ここではICT業界の概略に触れながら、未経験者を積極採用中の業種や、その職種と仕事などについてご紹介します。
進路選びの参考にしてください!

ICT業界の4つの分類と各職種

ICT業界は4つに大別されます。そして下図のようなサービスを提供しています。

IT業界分類

では、IT業界における各業種の代表的な職種を見てみましょう。
各分野ごとに専門性を持つ人々が活躍しています。

ソフトウェア業
・プログラマー(PG) ・システムエンジニア(SE) ・ネットワークエンジニア など
情報処理サービス業 (SI/システムインテグレーター)
・ITコンサルタント ・セールスエンジニア など
インターネット/Web関連業
・Webクリエイター ・Webエンジニアなど
ハードウェア関連業
・組込システムエンジニア など

教育がしっかり、未経験者の採用に積極的なソフトウェア業界

求人状況は分野ごとに少し異なります。

現在、ハードウェア関連業は情報系の専門知識を持つ方の採用、インターネット関連業は専門的にデザインを学んでいたり、Webページのコーディング技術を持つことを前提とした即戦力採用が主流です。

一方で、いま、入社時の専門性を問わず、ICT未経験者を積極採用している分野があります。
それが、ソフトウェア業/情報処理サービス業です。

この背景には、多用なニーズを実現させるアプリやシステム(ソフトウェア)への需要の高まりがあります。各企業は未経験採用を前提とした新人教育の環境を整え、エントリー者の人柄や適性に基づいた採用を行っています。
実は仙台のソフトウェア開発系企業の多くは、自社のエンジニアの3〜5割が非情報系の出身。そして働く上で情報系/非情報系の出身は関係なく、全ての新人の方が入社後に実践的なスキルを学び、ITエンジニアとして活躍しています。

いま、ソフトウェア業/情報サービス産業は、環境的に未経験でも目指しやすい分野なのですね。なお「伊達なICT-WORK」を運営するMISAも3ヶ月の新人研修を開催し、たくさんの企業が利用しています。

宮城県情報サービス産業協会 中途採用者(新人)研修
ー 《MISA 未経験者研修の様子》未経験中途採用者(新人)研修 −
…プログラミング初心者を対象とした約2ヶ月半の研修です。最終課題はチームで在庫管理システムを制作しました。

PG(プログラマー)・SE(システムエンジニア)の仕事と、キャリアパス

プログラマーとシステムエンジニア。専門領域の少し異なる2職種が、協力してサービスを提供しています。

SE(システムエンジニア)
プログラミングの知識をもとに、企業の課題や要望をヒアリングし、システムをデザイン(企画・設計)します。お客さまとやりとりしてシステムを企画/設計し、納品やアフターフォローも担当します。
PG(プログラマー)
システムを開発する為の「詳細設計」(どのようにプログラミングするか)の確定のほか、その実装(開発/プログラミング)を行い、プログラミングした機能のテストなどを担当します。
<キャリア>
知識を学び、プログラマーとしてスタート。その後、本人の興味や適性等に応じてキャリアを重ねます。お客様との交渉やシステム企画に進むならSE(システムエンジニア)→ITコンサルタント.技術的な方向に進むならプログラマーリーダー→ITスペシャリストとしてスキルを高める方向があります。
クライアントの課題を解決するシステムの企画/提案を行うか、I実装(開発)のプロフェッショナルとして活躍するキャリアパスが想定できます。

文系出身の方は、例えばシステムエンジニアとして、経済学・社会学・教育など、ご自身の専門性を活かし、様々な業種の顧客のシステム提案ができるかもしれません。

プログラマーの適性って?

プログラマーの職種は適性(向き不向き)で決まると言われています。しかし、これは何も特殊なものではありません。

★企業が未経験者の採用時に重視するもの
・コミュニケーション力
意外でしょうか。
開発プロジェクトは大きな予算に基づき、ふつう数名〜十数名、もしくはそれ以上の規模で行われます。お客様に納品する製品を完成させるために、上長やチームのメンバーの意図を理解し、物怖じせずに「報告・連絡・相談」ができることが求められます。
なお、これが企業における「コミュニケーション力」であり、ほとんどの企業が重視しています。
★プログラマーの適性の例
・物事の手順を順序立てて考えることが好き
論理的思考力(ロジカルシンキング)。プログラマーとは、コンピューターを目的に応じて動作させる「手順」を記述する仕事だからです。
・もくもくと何かを作るのが好き
ものづくりに集中し、よりよいものへ改善したり細部へ目配りするその工程は、プログラミングと似ています。手がけたプログラムが動いた嬉しさ、メンバーと開発した製品がリリースされた時の達成感も格別です。
・新しいものが好き
ICTは次々と新技術や、新しい方法が登場します。未知のものへの興味を持ち、自発的に調べることができる好奇心は、プログラマーとして働く上でこのうえない強みになります。

非情報系歓迎の採用を行う企業は多く、ぜひ当サイトの求人情報を確認してみましょう。

宮城県情報サービス産業協会 インターンシップ 宮城県情報サービス産業協会 インターンシップ
ー MISA 開催のインターンシップ −
IT業界への適性を確認できる非情報系の方向けのコースもあります。開催情報は「伊達なICT-WORK」サイトに掲載します。

働く環境

ICT業界のイメージは「ブラック」でしょうか。
現在、政府は「働き方改革」を推進しています。これは多様な働き方を可能とすることで、誰もが活躍できる環境を実現させることを目指すものです。
一方で、宮城の多くのICT企業は働き方改革に先駆けて、さまざまな制度を取り入れています。

【働きやすさ】

ワークライフバランス

ワークライフバランス
…多くの企業で、エンジニアが結婚や子育てなどのステージごとに働き方を調整し、長く働ける仕組みを採用しています。
・男女とも、育児休暇や介護休暇を利用しやすい
・産休の取得/職場復帰がしやすい
・在宅勤務、時短勤務など、個々の生活と両立できる勤務制度を採用する企業が多い
勤務時間/休日
…ほとんどのICT企業の勤務はカレンダー通り。土日祝は休んでリフレッシュします。繁忙期は残業を行ったりしますが、これはどの業種も同じですよね。
・有給取得率が高い
・2019年4月からは年5日間の有給取得が義務化
・有給休暇と、年末年始/夏期等の休暇を明確に分離する企業がほとんど
・リフレッシュ休暇、バースデー休暇などのほか、独自に有給推奨日を設定する企業も多い

【達成感やメリット】

ICTのやりがい

人々の日常生活を支える
ICTは、インフラ(水道、ガス、公共交通、通信など)、金融(銀行など)、買物、エンターティメント、医療、農業や漁業、製造業など、今やあらゆる場の運用に必要不可欠です。このシステムの開発に携われます。
社会に新しい価値を創造できる
AI(人工知能)やIoT(アイオーティー/モノとインターネットをつなぐ)など、新しい技術により、社会に新しいサービスを提供できる魅力があります。
高い専門技術、専門知識が身に付く
「手に職」の専門職としてキャリアを形成できます。収入面も期待できます。
チームや他社の技術者と協働して1つのプロジェクトを進める
開発は1プロジェクトごとにメンバーをアサイン(任命)します。時に他社の社員と協働し、人脈が広がります。

最後に、女性にもおすすめしたいのがICT業界。
ICT業界には、男女の区別なく力を発揮して働ける環境を整えた企業が多く存在します。ぜひ、ご自分の目でICT業界を覗いてください。