コラム

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プログラミングだけじゃない!ITエンジニアの仕事とキャリアフレームワーク

プログラミングコードのイメージ画像

ITにおける職種 ITコンサルタント・ITアーキテクト・ITエンジニア 等

ITコンサルタントは、情報技術(IT)の活用により、企業・組織の経営戦略を策定し、 それを実行するためのビジネスプロセス・リエンジニアリングや情報化戦略の立案など、顧客のビジネス上の課題を解決するための助言や提案を行います。

ITアーキテクトとは、セールスやビジネスコンサルタントが整理したビジネスの要求に対して、情報技術を活用して整合性のあるアーキテクチャ(基本構造)設計を行います。

そして、このコラムではITにおける職種の1つである「ITエンジニア」の仕事とキャリアフレームワークについて詳しく解説したいと思います。

ITエンジニアの仕事

みなさんの業務を効率化し、生活を便利にしてくれるシステムやソフトウェアを開発するのがITエンジニアの仕事です。ITエンジニアの仕事は、システムを開発するだけではなく、顧客との打合せや契約、開発計画の立案とマネジメント、完成したシステムの保守など、多岐にわたります。また、プロジェクトの規模によってはこれらの業務を1人のITエンジニアが掛け持ちする場合も多くあります。

MISA(一般社団法人宮城県情報サービス産業協会)では、実際のITエンジニアの仕事についてマンガで紹介した、分かり易いコンテンツを公開しています。(http://www.misa.or.jp/itnavi/index.html

今回はこのマンガにも出てくる、様々なエンジニア達の職種の違いや、必要な経験・知識などをご紹介します。

ITエンジニアにはどんな種類があるか?

ではITエンジニアにはどういった種類があるのでしょうか?ITエンジニアという職種に明確な定義はなく、情報システム関連の業務に携わるエンジニアを広義にITエンジニアと呼びます。ここでは主な業務の違いや、役割などから大まかに分類して、その内容を見てみましょう。

色鉛筆を使ったチームワークのイメージ画像

ITエンジニアの種類 システムエンジニア・プログラマー・カスタマーエンジニア・サーバーエンジニア・ネットワークエンジニア 等

システムエンジニアは、顧客の必要性や要求を特定し実装すべき機能や満たすべき性能などを明確にしていいます。そしてシステムの基礎的な仕様をまとめる基本設計・各プログラムの動作を定義していく詳細設計を行います。

プログラマーは、「プログラム言語」を使って、コンピュータが大量の情報をすばやく正確に処理するための手順を作成したり、組み込む作業を行います。

また、できあがったプログラムが設計通りに動作するかどうか、テストと修正を繰り返して、最後にプログラムの保守に必要な文書を作り、顧客やシステムエンジニアの承認を得て制作を完了します。

カスタマーエンジニアは、顧客のもとに赴き、コンピュータシステムやソフトウェアの導入、カスタマイズ、保守及び修理を行う技術者です。カスタマーエンジニアの役割は、顧客の情報システムを365日24時間体制で、常に安定的に稼働させることにあります。

他にも、サーバーエンジニアや、ネットワークエンジニアなど、特定の分野に特化したスキルが必要になります。

ソフトウェア開発における役割(ポジション)の違い プロジェクトマネージャー・プロジェクトリーダー 等

ソフトウェア開発では、どんなソフトウェアが求められているかのマーケティング等に基づき、ソフトウェア製品などを企画・設計・開発します。

プログラムの開発や製品のテスト、モジュール開発等の経験を積んでからシステム全体の設計に携わるのが一般的です。設計には 技術的な知識や経験だけではなく、ソフトウェアが用いられる業務 に関する知識、技術動向や通信環境等の変化に対する知識も必要とされます。

プロジェクトマネージャーは情報システムの開発・運用のプロジェクトにおいて、チームの責任者として、プロジェクトの計画、推進、 管理、監督を行います。

プロジェクトリーダーはプロジェクトを遂行するチームの責任者であり、プロジェクトマネージャーを補佐する立場となります。言い換えるとプロジェクトを遂行する際の現場責任者となります。

ITエンジニアのキャリアフレームワーク

実際の業務内容によってITエンジニアに求められる技術は様々です。また、キャリアアップに伴って、徐々に専門的な内容に特化したスキルを身に付けていくことになります。

分かり易い基準として、IT人材に求められるスキルやキャリアを定義した、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の定める、ITスキル標準というものがあります。このITスキル標準が定める、ITサービスの11職種をご紹介します。

IPA 独立行政法人情報処理推進機構IT人災育成本部ITスキル標準センター「キャリアフレームワーク ITスキル標準V3 2011」参照 https://www.ipa.go.jp/jinzai/itss/download.html

マーケティング ~市場分析からビジネス戦略を立てる~

顧客ニーズに対応するために、企業、事業、製品およびサービスの市場の動向を予測かつ分析し、事業戦略、販売戦略、実行計画、資金計画および販売チャネル戦略などビジネス戦略の企画および立案を実施する。

セールス ~顧客との良好な関係を築くコミュニケーション能力~

顧客における経営方針を確認し、その実現のための課題解決策の提案、ビジネスプロセス改善支援およびソリューション、製品、サービスの提案を実施し成約する。

コンサルタント ~ITトレンドの把握とIT戦略の策定~

顧客の経営戦略やビジネス戦略およびIT戦略策定へのカウンセリング、提言、助言の実施を通じて、顧客のビジネス戦略やビジョンの実現、課題解決に貢献し、IT投資の経営判断を支援する。

ITアーキテクト ~基本構造の設計~

ハードウェア、ソフトウェア関連技術を活用し、顧客のビジネス戦略を実現するためにシステム全体の品質を保ったITアーキテクチャ(基本構造)を設計する。

プロジェクトマネジメント ~開発・運用プロジェクトの責任者~

プロジェクトの提案、立ち上げ、計画、実行、監視コントロール、終結を実施し、計画された納入物、サービスと、その要求品質、コスト、納期に責任を持つ。

ITスペシャリスト ~IT技術の専門家~

顧客の環境に最適なシステム基盤の設計、構築、活用を実施する。構築したシステム基盤の非機能要件(性能、回復性、可用性など)に責任を持つ。

アプリケーションスペシャリスト ~アプリケーションの開発〜

業務上の課題解決に係るアプリケーションコンポネントの設計、開発、構築、活用、テストおよび保守を実施する。

ソフトウェアデベロップメント ~ソフトウェアの開発~

ソフトウェア製品の企画、仕様決定、設計、開発を実施する。また、ソフトウェア製品に関連したビジネス戦略の立案やコンサルテーション開発も実施する。

カスタマーサービス ~顧客の環境を維持する~

顧客の環境に最適なシステム基盤に合致したハードウェア、ソフトウェアの導入、カスタマイズ、保守(遠隔保守含む)、修理を実施するとともに、顧客のシステム基盤管理およびサポートを実施する。

ITサービスマネジメント ~安定したシステムの運用管理~

サービスレベルの設定を行い顧客と合意されたサービスレベルアグリーメント(SLA)に基づき、システム運用リスク管理の側面からシステム全体の安定稼働に責任を持つ。

エデュケーション ~研修の企画と実施~

担当分野の専門技術と研修に関連する専門技術を活用し、ユーザーのスキル開発要件に合致した研修カリキュラムや研修コースのニーズの分析、設計、開発、運営、評価を実施する。

仙台でITの仕事に就く

IT業界は首都圏に集中している割合の高い業種です。人材の数も多く、高度な知識や発想に触れる機会の多さで言えば、首都圏にアドバンテージがあります。また、地方都市は首都圏に比べて案件(開発体制)の規模が違うため、クライアントとの交渉など、より幅広いスキルが求められる、といったような傾向の違いもあります。

黒板に描いたワークライフバランスのイメージ画像

それでも東北第一の都市である仙台は首都圏からのアクセスも良く、適度な都市規模のなか、豊かで快適な自然環境で就業できる強みがあります。家賃などの生活費面でのメリットや通勤に関するストレスの少なさなどもポイントです。

クラウドを活用して場所に縛られずに開発を行うことで、地方でITビジネスを行う企業も増えてきています。特に仙台ではITによる地域経済の底上げや、地方創生を構想して、様々な取り組みや支援が実施されています。MISA(一般社団法人宮城県情報サービス産業協会)でも様々なイベント(研修・セミナー等に関するイベント)を開催していますので、ぜひ気軽にご参加ください。