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『切磋琢磨のスキルでユニークな選択肢を提供 ー石森譲さん』
  ─ 株式会社ナナイロ(旧 株式会社PRO&BSC) 

2015.12.18

株式会社PRO&BSC部長1

システムコンサルタント、技術営業、大学講師とポジションを行き来しながら、仙台や首都圏にて、半ばフリーランス的な立場で高度なOracleデータベースの知見に基づく案件を多数手がける石森 譲さん。
持ち前の、”冗談好き”と、ストレートなトーク・スタイル、キレのある提案でクライアントの信頼を勝ち取る毎日の底には、自身を「泥くさい」と呼ぶ別の顔があります。

【石森 譲さん ユーザーアプリケーション事業部部長】代表的な仕事
・大手調剤薬局企業向けの情報系サーバー構築、高速データベース開発
・オンラインPOSサービスにおけるデータベースを活用した情報可視化
・大学病院向けの情報系サーバー構築 ほか多数


 
「1」を「2」にするコンサルタント

「例えば、クライアント様の要求として、ボタンを押したら5秒以内に検索結果を表示させたい、5秒は譲れないというものがあったとします」と石森 譲さん。システム構築時によく起こりうるシーンだ。しかし石森さんは、状況に応じて『5秒』から『10秒』の方向性を提示する。

「例えばその5秒は絶対的に必要なものでしょうか。もし画面に『あと何秒です』というダイアログを表示させたらどうか。進行表示がユーザのストレスを軽減し、10秒程度までなら許容される可能性も考えられますよね。
これは一例ですが、私は、絶対必須の要件だと固定化した視点を見直し、クライアント様により効率化された新しい選択肢を与えられないかと考えてみるのです」

技術者でありながら風変わりな球を投げながら行うコンサルティング。石森さんはこうも話す。「例えば、現在、他社が開発したシステムの面倒を見てくれないか、とご相談を受けています。他社が開発したシステムのプログラムソースを見ると、都内で組まれた、非常に完成度の高いプログラムです。それでも不満が存在する。なぜだろう…?と私は考えるんです」

石森さんは続ける。「私より素晴らしいプログラミングのセンスを持つ方は大勢おられます。ただ、技術者の一般的な傾向としてはつい説明不足になりがちのようです。私はまず、クライアント様に、このプログラムのここはいい、ここは足りていないと、全てを説明します。技術者でありながら、一歩技術から引いて、技術者が陥りがちな箇所を非技術職の方に説明しています。そのあたりが重宝がられるみたいですね」。
システム設計者側の意図を明らかにすれば、双方の齟齬が明確化され、問題解決の着地点を探っていける。プログラミングスキルで解決を図るだけではなく、コンサルティングスキルを高めれば解決できることがあるが、石森さんの仕事のスタンスだ。

愛機のカスタマイズノートPC2台を使いわけ、時に冗談を飛ばしながら首都圏と仙台・盛岡等で案件を展開していく石森さん。しかし現在のベースには、スキル蓄積への強い意志と、地道な積み重ねがある。


 
「安定」はリ・スタートの引き金

生まれも育ちも仙台の石森さん。
仙台に執着し、キャリアは仙台を基点に築いた。しかしその内容は起伏に富んでいる。

地元宮城の大学卒業後、石森さんは迷わず仙台のソフトウェアハウスに就職した。
しかし、在籍2年半ほどで東京本社の大手一流企業に転職する。その理由をこう話す。「私は上昇志向の塊でした。高スキルな東京資本企業でOracle(オラクル/データベース)のビッグプロジェクトに関わりたい、Oracleスキルを極めたいと考えたのです」。

その企業は、とあるビッグプロジェクトを仙台で展開していた。東京本社から仙台に約150人もの技術者が出向し、超難関資格の『Oracleマスター・プラチナ』有資格者もざらにいる環境。前社時代に取得したOracleスキルのおかげで、SEの主要ポストに就けた。「Oracleをこんなふうに使うんだ、と目からウロコが落ちる体験をしながら、OracleEBS*1にどっぷりと浸かって過ごしました。連日終電で帰るような生活が半年続いたこともありました」

その企業もやがて転職した。「転職を考えた理由は、1つには、私自身の『勉強は仕事中ではなくプライベートの時間にやる』との考えに対し、社は自分のキャリアパスを考える余裕もないほど勤務が長かったことです。また、大規模案件の中で行う仕事は、歯車の一つに過ぎないとの感覚も強くなってきました」

次に選んだのも東京本社の企業。その仙台支社でJAVA(言語)に触れながら、SEとして初めて長期案件の基本設計から結合試験までの一連を手がけた。しかしこの環境にも、在職2年ほどが経ったころに不自由さを感じ始めた。
東京の大手システム開発企業の地方支社は、他企業に常駐することも多い。外部で経験を積める一方で、業務がスキルの洗練や向上に直結しにくい面もある。また、社への帰属意識も芽生えにくかった。

そんな折、仙台で創業したての現社から声がかかった。「お世話になった方から、個人事業主に近い働き方でのお声がけだったこともあります。腕には自信がありました。自分の腕で仕事を切り拓く、というところに興味を持ちました」
従業員5000人規模の企業から、業績が収入へ直結する企業、当時はメンバー7人の地元企業への転職だった。

株式会社PRO&BSC部長2

石森さんは振りかえる。「私は安定が苦手なようでして。環境が安定しはじめると次の刺激を求めてそわそわするようです。それが今の転職歴に現れています。でも、いつも考えていたのは、スキルを自分に蓄積させる仕事、会社を変えても自分に溜まる仕事をしていくことでした。常に自分なりにベストは尽くしてきましたが、上司から見たらさぞ扱いにくい社員だったかと思います」。

三社三様のスキームやセオリーを体験し、さらに、どんな時期も勉強が趣味というほど月に数冊の技術書籍購入を続けた石森さん。そうした経験が、現在の、ユニークで合理的な提案スタイルを支えている。
石森さんはこう話す。「私の仕事へのプライドの根拠があるとすれば、本当に、『地道にこつこつやることは嘘をつかない』なんですよね」。

*1 OracleEBS……
「Oracle E-Business Suite (EBS)」。データベース関連の世界的企業・オラクル社が提供するビジネスソリューションパッケージ。CRM、会計管理、サプライ・チェーン・マネジメント、購買調達、プロジェクト管理、マスターデータ管理など幅広く統括する。


 
公私両立のライフスタイル

最近、石森さんは第三子に恵まれた。看護師の仕事をする奥さんとの協働育児で、すっかり「イクメン」化だ。
「弊社の環境は、各案件の全責任を自分が負うぶん、ある程度時間を采配しやすいです。現在は、持ち帰れる仕事、スケジュールが調整しやすい仕事を優先して自分にアサインしています」と石森さん。

石森さんの朝は、上の子どもを幼稚園に送ってから9:10頃に出社。仙台は通勤時間が短いのも便利だ。17:40頃には退社し、子どもの宿題の面倒を見、歯磨きをさせて寝かせ、洗濯物を干す。小まめなパパの顔だ。「子どもの体調不良時の幼稚園・保育園からの連絡先も、私のところに来るようにしています。連絡が来れば私が病院に連れていき、家で面倒を見る。もう、外で仕事をしている時のほうが平和なのではないか、と思ったりします」。

ただ、自宅にいる時は常にiPadを手放さない。「メールは常時チェックしますし、子どもをおんぶしながらiPadでPDF資料を読んでいる姿なんて、二宮金次郎ですよ(笑)」

こうした自由度の高い仕事環境をチョイスする一方、石森さんは、部下との情報共有には時間を割く。「週に平均1〜2度の東京・盛岡への出張もあり、社の席にいないことが多いのです。だから、社のオンライン業務掲示板に私の1日のタスクを登録し、終わればチェックを入れて、私が外で何をしているか皆に伝わるようにしています。日々の雑感なども結構マメに書き込んで、何やら”やっている感”を演出しています(笑)」。

そんな石森さんにとって、仙台というフィールドは何事にも両面性が見える場所だという。
「例えば仙台は小規模案件が多い点。大規模案件におけるスキルや感性を得られにくいかもしれません。しかし、初めから最後まで案件を1人で見られるので、自分が支えているとの自覚が出てきます。また、通勤時間が短いことは、通勤中にできる勉強ができなくなる一方で、時間が有効に使えることでもある。何事も考え方次第ですよね」。

技術の面では、仙台は技術最先端の東京に比べて数年の遅れがある。「ただ、これも考え方次第です。最新の技術というのは未成熟であり、予期しない不具合を伴う、というリスクを含有しています。しかし地方にその技術が定着するのは、技術がアップデートされこのリスクが潰されている頃なんです。これはメリットと捉えることができます。また、充分に広まった技術なので、ネット上に情報も豊富で生産性も高まります」。

なお、石森さんの最近のテーマは、「部下を、古い技術を使いながらも市場価値のある技術者へ育てることですね」。働き方を選択しつづけてきた現在の企業で、次の世代のことも考えながら、しばらくは”次の刺激が欲しくなる”とは無縁の日々が続きそうだ。

〈事務局より〉 勉強が趣味との石森さん。ある休日に家族が「暇だなー…何かすることない?」と尋ねてきた時、「なら勉強すればいいじゃない」と答え、変わった人だねと言われたそうです。しかし現場で「自分のスキルが一般の方々の役に立つ」という実感を得られることが多く、また、事業部制でスキルが収入に直結することが学び続けるモチベーションになっています。


 

PROFILE:石森 譲さん

略歴
・宮城教育大学 卒業
・仙台市内ソフトウェアハウス、東京資本システムインテグレータ企業等を経て現社に至る
・宮城大学非常勤講師 兼任

 
主資格
・Oracle Master Platinum
・Oracle Certified Consultant HR-Gold
・(旧)第1種情報処理技術者
・情報セキュリティアドミニストレータ
・LPIC Level2/医療情報技師 他

 
Off Time
・ひたすら子守。自宅の周りの公園に3人連れて行って、走り回らせます。
・以前はバドミントン。公私を区別しすっぱり帰って集中。
・(将来の希望) 乳幼児の一番下の子に日本語が通じるようになったら、バドミントンを再開したい。

 
好きな仙台
よく行く場所
・仙台市中 青葉山の「仙台市野草園」
・仙台市から1時間ほどの「みちのく湖畔公園」

 
株式会社PRO&BSC
[事業内容:システム・コンサルティング、システム・ソフトウェア開発、インターネット関連事業、医療コンサルティング]

株式会社PRO&BSC部長3

企業について
品位・品格・品質という基本理念のもと、システムエンジニアの社会的地位向上を目標に掲げ、このスローガンに賛同したメンバーを社員に迎えいれながら成長してきました。事業部制の独立採算方式を取りながら、各事業部長の采配のもとに、特色のある事業展開を行っています。
〇ユーザーアプリケーション事業部
〇ファストエンジニアリング事業部
〇ウェブソリューション事業部
〇医療コンサルティング事業部
〇盛岡事業部
〇首都圏事業部

 

本社
〒980-0014 宮城県仙台市青葉区本町2-6-35 第七広瀬ビル 3F
Tel.022-200-9006/Fax.022-721-3503

[石森 譲さん] 仕事依頼時の連絡先
株式会社PRO&BSC ユーザーアプリケーション事業部
Tel.022-200-9006