企業を知る

『『対人のスキルを重視する』』
  ─ 株式会社モノクラフト 

2015.12.16

トップインタビュー
『対人のスキルを重視する』 代表取締役 五十嵐 朗  (聞き手)伊達なICT-WORK運営事務局

企業理念について

-御社の企業理念である『IT技術で感動を届けるものづくり』に関してうかがってもよろしいでしょうか。

五十嵐: 以前、私は営業という立場だったのですが、クライアントから感謝されることが、作り手にとってとてもプラスになると感じておりました。そのような考えから、クライアントからの感謝の言葉やお褒めの言葉を糧に、いいものをどんどん生み出していけるような会社になっていきたいという思いがあります。

また、高い技術だけを提供するのではなく、あくまでも実務に沿ったきちんとしたサポートができるようなシステムを作っていきたいという気持ちを常に持っています。そのため、私はクライアントからのヒアリングという工程を大事にしています。

株式会社モノクラフト代表取締役

-お客様からのヒアリングや要件定義は五十嵐社長自ら行うのですか?また、設計段階ではどのような役割分担になるのでしょうか?

五十嵐: 社長兼営業で兼務です。最初に私がヒアリングを行いにお客様の元に赴きます。どういったシステムをお客様が求めていて、どういったサポートをしてほしいのか概要を把握した上で持ち帰ります。それをエンジニアと話し合い、仕様を決めるといった流れです。要件定義も私がおこなっており、設計となるとエンジニアと、あぁでもないこうでもないと言いながら行っています。

-御社は自社サービスを展開されています。そういったサービス展開の良い点、苦労なさっている点などをお聞かせください。

五十嵐: 先ほどお話した内容にも付随するのですが、自社のサービスを展開しているとお客様の声がとても近いです。そのため、自分たちが頭の中で考え想像しているよりも、より良い製品を作ることができるというメリットがあります。

-フィードバックが得られるということですね。

五十嵐: エンジニアのモチベーションも違うと思います。自社サービスの開発では、エンジニアはいきいき仕事をしている印象があります。現在、在庫管理システムやEC-CUBE連動型業務支援Webシステムといったサービスを展開していますが、まだ顧客獲得を大規模に行えていないので、来期、再来期にかけて行っていかなければならないと思っています。

-自社サービスゆえに自分たちで展開しなければならないという難しさがあるのですね。

五十嵐: 己の力量で広げていく事ができるので、逆にそれもメリットと言えます。

-となると、営業の担う部分は大きいと思うのですが、現在 営業は五十嵐社長おひとりで行っていらっしゃるのでしょうか。

五十嵐: 私ひとりです。

-五十嵐社長は常にお客様の声を聞いているということですね。

五十嵐: 本当に些細なことでもお客様のもとに出向きます。その際、メインの質問でないところから要望や問い合わせが出たりするので、そう考えると仕事って対人(ヒト)だとすごく思います。

-御社の理念に即したIT技術で感動を届けるものづくり、そういった場合に五十嵐社長はどのようなスタッフ像を考えていらっしゃいますか。

五十嵐: 現在お客様とのやりとりを私ひとりで行っています。しかし、今後は営業的な要素もエンジニアが行うのが理想です。そのためガチガチのエンジニアというよりも、コミュニケーション能力があり、ビジネス全般のスキルを有している方、また自分から面白いことをどんどん提案してくれる方をスタッフ像として考えています。

-そういった環境を作っていく試みをお聞かせください。

五十嵐: 環境については、検討している段階です。しかし、社員には面白い事があったら常に話して欲しい、面白い発想は共有するようにと言っています。ただ、提案されたものをそこから掘り下げるというのをまだ行えていないので今後やっていきたいと思っています。

-五十嵐社長はお客様とエンジニアさん双方に対して距離が近いのですね。

五十嵐: 一緒に会社を作っていくという思いが社員のほうにあるのが前提なんですが、そのような気持ちをもう少し全面に出してもらえたらという希望はあります。

-採用活動においては即戦力になる方を希望されますか?技術力よりも、比較的幅広い視野を持って、コミュニケーションがきちんとできる方が理想ということですね。

五十嵐: 希望としては即戦力を希望しています。ただ技術に関しては、勉強をすればある程度は身につくと思います。コミュニケーション能力や、対人(ヒト)と接する部分というのは生まれ持ったものが大きいと思うので、重要視したいと考えています。

-コミュニケーション能力がより本質だということですね。

 

自社サービスについて

-EC-CUBE連動型業務支援Webシステムというのは、ある種、在庫管理のようなシステムなのでしょうか。

五十嵐: 在庫管理というよりも、在庫、売上、販売、生産管理、受注管理までを行う基幹システムです。開発言語はPHPです。

-スマートフォンアプリの『小記録』『大記録』が気になります。こういったアプリを作られた経緯をお聞かせください。

五十嵐: 以前、社員から『高齢になると大と小の頻度が、健康のバロメーターとして重要になるので、記録に残してとっておけるようなアプリがほしい』という話がありました。そこからこのアプリ開発が始まりました。

-社員の方のアイデアから始まったということですね。

五十嵐: 知識も技術もあったのにアンドロイドアプリを作る機会がなかったので、どうせなら作ってみようかという話になりました。現在は、ストアでフリーでの購入が可能です。ログをもとにグラフを生成することも可能です。

-そうやって自分の記録を可視化するのですね。

五十嵐: どのくらいの頻度になってきているのかを、可視化してきちんと認識させるためのアプリです。


 

五十嵐社長のキャリアについて

-五十嵐社長の今までのキャリアと、仕事に対するお考えをお聞きしたいのですが。

五十嵐: 学校卒業後山形県南陽市で働いていましたが、1度地元から出たいという気持ちがあり、東京に移住し仕事をしていました。

-その後、仙台に来られたということでしょうか。

五十嵐: 4〜5年東京にいましたが、仙台でIT企業を経営していた親族から誘いがあり、ここにきてITに関わる仕事をはじめました。

-それは営業としてでしょうか。

五十嵐: 最初は事務所での業務でしたが、数年後から営業もするようになり、システム開発の知識を深く学ぶ機会を得ました。そこから現在の会社を起業し、今に至ります。


 

若手への期待について

-若手にはどのような期待をされていますか。

五十嵐: 変に堅苦しくやってほしくないという思いがあります。単純に言うと楽しく仕事をしてほしいです。それに尽きます。

-楽しく仕事をするっていうのは、自発性だったり、お客様からの声に応えるだとか、それを掘り下げたりといったことを指していますか?

五十嵐: お客様から感謝されると同時に、自分たちもお客様に感謝するような心構えでいてほしいと思います。対等とまではいかないですが、同じようなパワーバランスでお客様と付き合っていける会社員でいてほしいです。


 

採用について

-採用に関してお聞かせください。

五十嵐: 採用は積極的に行っていく予定です。しかし、請負の開発に配属か、常駐型の開発に配属かというのは、両業務に人が必要なためまだわかりません。

-若手が御社内で自社サービス開発を経験することにより、スキルを磨くことが可能だと思います。 自社サービスの開発を行っているのは、大きいメリットだと思います。

五十嵐: 実際の実務として経験させることが出来るので、メリットはあるとよく言われます。ただ、今まで未経験の方の採用実績がないんです。しかし、即戦力の方というのもなかなかいらっしゃらないので、学校で勉強はしたけれど実務経験は無いという方を教育していくのが理想です。