コラム

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地元IT企業への就職の仕方教えますQ&A(MISA座談会レポートより)

ノートパソコンのキーボードのクローズアップ写真

2022年2月18日、オンラインにてエンジニア志望者やIT企業に興味のある学生を対象に、「地元 IT企業への『就職の仕方』教えます〜文系やITを専門としない学生のためのオンライン座談会 〜」が開催されました。当日は、仙台に拠点を置くIT企業2社と地元の大学生を中心に専門学校生、職業訓練生など20名に参加していただきました。

このイベントは学生に気軽に参加してもらいたいとの考えから、事前に参加者からIT企業への就職に関する質問や疑問を集め、ファシリテーターが話を振りながら、疑問や不安に企業が答えるといった構成で進行しました。 学生には、参加企業2社の考え方や採用方針の違いを感じながら、地元IT企業への就職に関する有益な情報をたくさん持ち帰っていただけたかと思います。

ある学生からは「採用・就職はマッチングなのでお互いが合うか、合わないかの問題。もし不採用になっても、あなた自身が否定されたわけではない」という企業の言葉がとても心に響いたようでした。「胸に刻んで、今後も頑張りたい。」との意気込みをお聞きでき、学生にとって有意義な場になったと実感しています。


それでは、Q&A形式で当日の内容を一部ご紹介しましょう。


参加企業の紹介


IT企業への就職の仕方Q&A

Q. コロナ禍の前より採用人数を減らしてますか?

A:

企業によって状況は様々ですが、宮城県情報サービス産業協会(MISA)に加盟する企業の中には、採用枠は「コロナの前と変わらない」「コロナの前よりも増やしている」という会社もたくさんあります。


Q. どのような人材を求めていますか?

A:

「コミュニケーション能力」と「ものづくり(プログラミング)の好き度」を求めている企業が多いです。
ITエンジニアの業務は多くの場合、プロジェクト単位で動いており、プロジェクトごとにリーダーやメンバーが存在します。そのためプロジェクトを円滑に進めるための聞く力と正しく報告・相談・連絡をできる能力が求められます。コミュニケーション能力が高い人は、作業が上手く進んでいない時こそ、適正なタイミングで的確な報告をすることができます。ここで言うコミュニケーション能力とは社交性のことではないので、その点はしっかり理解してください。
またITエンジニアは常に勉強しながら新しい知識や技術を得なければなりません。優秀なエンジニアになれるかどうかは、自主的な学習態度が大きく影響しますので、勉強グセがない方は就職してから非常に苦労するかもしれません。そのため、ものづくりの好き度は「勉強し続けられるか」どうかのモノサシにもなります。面接でも重要視している企業が多いです。


Q. 学生に求めるスキル、資格、プログラミング経験は?

A:

求めるスキルとなると上記のコミュニケーション能力などになりますが、就職に際しての資格取得は必須ではありません。ただし「基本情報技術者(IPA)」を取得していると面接で評価されることも多いので、興味のある方は調べてみることをおすすめします。同様にプログラミング経験も必須ではないので文系の方も気にすることはありません。


  • 基本情報技術者試験について(IPAホームページ)

  • Q. IT企業への就職は文系出身だと理系に比べ不利ですか?

    A:

    文系という理由でIT企業への就職が不利になることはありません。むしろ、キャリアを重ねるとお客様と接したり、プロジェクトメンバーをまとめたり、ドキュメントを書いたりとシステムエンジニア(SE)へステップアップしていく方も多いので、IT企業では文系出身の方のが比較的向いている職種もあるということになります。ITに興味はあるけど、学校では情報系の勉強をしていないから・・・、プログラムに触ったことがないから・・・などの理由で就職のチャレンジを躊躇している方は、まずはいろいろな企業を調べ、実際に話を聞いてみることをおすすめします。


    Q. 採用面接ではどのようなところを見ているのですか?

    A:

    企業は服装や作法、言葉使いも見ていますが、そこばかりを気にしてしまうと緊張しすぎたり、大事なことがアピールできなかったりする場合もあります。企業ごと採用基準は様々ですが、実際、評価における言葉使いなどの比重はどの企業も多くはないでしょう。また、アルバイト経験や学生時代の社会貢献活動などは、企業によって評価項目に入ってない場合もあるので、面接前の説明会などで聞いてみると良いかもしれません。


    Q. 東北のIT企業と関東圏のIT企業では、仕事上の違いはありますか?

    A:

    特に違いはありませんが、関東圏に本社があり地方に支社・支店を持つ企業は、本社で要件定義などの上流工程を行い、地方でプログラミング(製造)や運用保守などの下流工程を担当するといったすみ分けをしている企業もあります。


    Q. IT企業を目指すなら、これだけはやっておいた方がいいことはありますか?

    A:

    この質問に関しては正解がありません。プログラミングが好きであれば、プロダクトを作ったり、経験のない言語を勉強してみるなどは就職につながると思いますが、基本的には本分である学校の勉強にしっかり取り組むことと、学校の先生や友人との交流を楽しむことで社会人基礎力のベースを築くべきでしょう。


  • 社会人基礎力とは(経済産業省ホームページ)

  • 参加学生の感想

    いかがでしたでしょうか。IT企業への就職に関しての疑問や不安は払拭されましたでしょうか。
    最後にイベントに参加した学生の声(感想)を紹介します。

    • 文系の学生に対しても理系の学生に対しても選考に関してあまり差がないことや、資格の有無など、IT企業に就職する際に具体的に何が必要なのかを知ることができて良かった。

    • 自分が思っていたよりも文系の学生を採用しているということがわかった。

    • IT業界への就職に関して前向きに考えられた。自分の疑問に対し直接希望業界の企業からアンサーがあったのがすごく良かった。

    • 自分が1番聞きたかった「IT業界で求められる人材」、それにプラスして面接時の説明を聞くことが出来て良かった。他にも、ITの専門知識がなくても、やる気や興味があれば大丈夫ということなので少し安心した。

    • IT業界は土日など休めないイメージがあったが、土日祝休みと聞いてかなり関心が高まった。

    • 気になっていたコロナ禍での採用状況や、面接で大事な部分など、学べたことがたくさんあった。

    • IT業界も良いな、ぐらいにしか考えていなかったが、今回のお話を聞いて、IT業界が良い、ということろまで目標を絞ることができた。