コラム
COLUMN
IT業界がよく分かる「MISAインターンシップ」を活用しよう
プログラミング経験者、未経験者にかかわらず、ITエンジニアになりたいという学生が増えています。
IT(ICT)への関心の高まりと共に、在宅勤務や産休など、多くのIT企業で働く環境を整えていることが知られており、これが人気の理由かもしれません。同様に、IT企業では未経験者の採用が増えています。
とはいえ、「どのようなIT企業があるのか分からない」と感じることも多いのではないでしょうか。
確かにほとんどのIT企業は、一般に知られる機会がなかなかありません。
そこで活用していただきたいのが、「MISAインターンシップ」です。
様々な学部学科の学生のニーズを充たす6コース
宮城県のIT業界団体MISA*が運営し、MISA会員の協力IT企業(ソフトウェア開発系)が開催しているのが「MISA インターンシップ」です。情報系・文系の学生のニーズを受け止める6コースがあります。
各コースの最大の特徴はカリキュラムです。
各カリキュラムは宮城の大学・専門学校などと、IT企業がコラボレーションして開発しました。このため、様々な立場の学生の「IT企業のインターンシップで知りたいこと」がしっかり入っており、単位認定にも対応しています。
各社はコースの目的に応じ、自社の得意分野を活かしたテーマで開催しています。
2019年夏は3コース8つのインターンシップが開催され、参加者は延べ34名。参加者の学校は、東北工業大学、東北福祉大学、東北電子専門学校、尚絅学院大学、聖和学園短期大学、仙台白百合女子大学など。情報系や文系など多彩な学部学科からの参加でした。
2019年度 MISAインターンシップ参加者のデータ
■男女の比率 ■情報系と、文系など非情報系の比率
■参加の動機
- 「ITエンジニアを目指しており、企業での仕事を知りたい」
- 「(プログラミング未経験だが)IT業界を将来の選択肢に入れたい」 など
*MISA:一般社団法人 宮城県情報サービス産業協会
そもそも宮城のIT業界をご存知ですか
ところで皆さんは、宮城県のIT業界にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
「MISAインターンシップ」では、各コースにIT業界研究の時間があります。ソフトウェア開発企業に関する内容を中心に、簡単にご紹介します。
- 宮城県のIT関連企業数|約550社(2019現在)
- 宮城本社の企業:首都圏など他地域の企業の割合|約6:4
- 取引先地域|東北・首都圏を中心に全国(クライアントはIT企業や他業界の企業)
宮城や首都圏で大きなプロジェクトに携わる企業も多数あります。
宮城県のIT業界は、首都圏と密接に連携する東北のIT集積地であり、各企業の個性は豊かです。
インターンシップに参加したとき、IT企業の様子だけではなく、IT業界全体のことや業態特有の働き方など、就職活動への知見を得られるのは魅力的です。
参加者の声から見る「MISAインターンシップ」のメリット
2019年度 MISAインターンシップの様子
2019年11月27日、2019年度のインターンシップの成果報告会を開催し、インターンシップの参加者たちがフィードバックをしました。
ここでは、参加後アンケートの内容も交え、学生の声をご紹介します。
参加後・IT業界への就職意識
・「MISAインターンシップ 参加者アンケート」返答数13名 2019年11月 MISAインターンシップ運営事務局集計
Q. IT業界への就職を考えたいですか(当てはまるもの1つ)(「2 当てはまらない」「1 全く当てはまらない」回答数0)
情報系/文系など非情報系を合わせ、「5 非常に当てはまる」46.2%(6名)と「4 当てはまる」38.5%(5名)の合計84.7%が、IT業界の就職に前向きです。
「3 普通」15.4%(2名)の内訳は文系の方が2名。「他業界と併せ、選択肢の1つに考えたい」との回答でした。
「2 当てはまらない」「1 全く当てはまらない」の回答は無く、どの参加者も良い感触を得たようです。
「知名度に関係無く仙台本社の企業」が、情報系・非情報系の方を合わせてトップです。理由として「地元に様々なIT企業があると知った」といった意見があり、地域IT業界の知識を得たことが関係したようです。
なお、回答者は2つの傾向に分かれます。「仙台(東北)勤務にこだわり、知名度の有無はどちらでもいい」(情報系、文系など非情報系の傾向)、「知名度にこだわり勤務地は限定しない」(主に情報系の傾向)です。皆さんはどちらでしょうか。
インターンシップで役に立ったこと
「MISAインターンシップ」の魅力の一つは、IT企業を覗けること。アンケートのトップに「IT企業の様子」が来ており、1日または5日間の短期集中プログラムでも、企業の様子を感じていただけたようです。また、IT企業の業務体験や社員との交流もポイントが高く、皆さんの興味が仕事を知ることにあり、満足していただけたのが分かります。
感想
■共通の声アンケートと成果発表会参加者の声として共通するのは、コミュニケーションに関するもの。
IT企業における開発の仕事はチームで行われているため、当インターンシップには、ほとんどのコースにグループワークが取り入れられています。こうしたプログラムでの課題解決が好評でした。
- 「意外に話し合いの時間が多かった」
- 「システムの課題を解決するのにどれほど大変か、実際に取り組み知ることができた」
- 「IT業界は、様々な業界の人と関わりながら仕事をする業界だった」
- 「社会人の方の、意見を否定せず耳を傾けてくれる様子が印象に残った」 など
システムエンジニア(SE)として、チームでシステム開発を体験しました。技術面や職種体験への満足感があったようです。
- 「システムを要件から設計し機能の一部として実装した。学校ではできない経験だった」
- 「プログラマー以外の仕事を体験できたのは貴重だった」
- 「現場のコードの書き方を知ることができた」 など
プログラミング体験への声が多く見られました。当インターンシップの目的の一つ、「適性を知ること」において、自身が知らなかった適性を見つけた学生も多いようです。
- 「プログラミングは手順を記述すればよいと分かった。エラーは機械が教えてくれる」
- 「書き方を勉強していけば、文系の自分もやっていけそうだと思った」
- 「設計書類の作成など、実際はプログラミング以外の仕事もあった。勉強中のエクセルの資格が役に立ちそう」 など
学生・企業の双方にメリット
2019年度 MISAインターンシップ成果発表会の様子
企業にもメリットがあります。
先述の「MISAインターンシップ成果報告会」では、企業側から「会社をよく知っていただければ、その会社への志望動機が明確になり、お互いに安心できる」「学生とのコミュニケーションを通し、IT企業就職への不安や疑問が分かった」などの声がありました。
なお、2019年度はインターンシップをきっかけに就職が決定した学生もいます。
学生の皆さんと企業とのミスマッチが起きにくくなれば、お互いに安心して、長く仕事をしていけそうです。
いかがでしたでしょうか。
インターンシップは1人で何社も参加する学生もいます。
特に、IT業界は、企業ごとに社風も事業内容も全く異なります。1社だけで満足せず、2社、3社と出会うことで各IT企業の個性が見え、就職活動にどんどん前向きになっていくかもしれません。
ぜひ活用してください。