コラム
COLUMN
文系学部学科生のための「IT業界研究」イベントレポート
文系対象 「伊達なICT-WORK せんだい・みやぎ」 のIT業界研究イベント
「初心者も歓迎」「文理不問」などの求人票を見かけることも多くなった「ITワーク」。近年、IT企業は文系出身の学生に熱い視線を注いでいることをご存知でしょうか。
実際に、IT企業では多くの文系出身の社員が働いています。
「伊達なICT-WORK」が開催する業界研究イベントは、文系学部学科などいわゆる「IT未経験者」の方を対象に開催し、IT業界の状況や、仕事の内容、職場の様子などを気軽に知っていただくためのイベントです。
[イベント]のページへ技術職として長く働いていける「ITワーク」
そもそも「IT」とは何でしょう。また、どのような仕事をしているのでしょうか。
「IT」とは「情報技術」のこと。コンピュータやデータ通信に関する技術の総称です。現在は「ICT」(情報伝達技術*1)として、情報のコミュニケーションや伝達面を強調した語が使用されています。
近年はさらに「IoT」(モノのインターネット*2)という技術が注目されており、従来はインターネットに接続されていなかったモノ(車、家電、工場のロボットなど)をネットワークする技術を利用した革新的なサービスが生み出されています。
「ITワーク」とは、これらを実現するシステムなどを開発・運用する仕事です。人同士やモノをネットワークして暮らしを便利にしたり、情報の発信や伝達を技術的に支援しています。また、急速にIT技術が進化する現在の社会状況を受け、これからも大きな広がりを持っています。
しかし残念ながらITエンジニアは不足しており、2016年時点で17万人が不足していると言われています*3。このためIT企業は、未経験者も研修によってスキルを身につけて働ける環境を整え始めています。
就職先として視野にいれたい業界の一つと言えそうです。
そんなITの仕事は、いわゆる「手に職」の技術職。
快適に長く働ける環境を整えている企業がほとんどです。
休日がしっかり確立されているほか、多くの企業で産休や育休などの制度があり、ライフステージに合わせて働いていける環境が整えられています。このため、男女ともに安定した長期キャリアを築きやすいことが特長です。
中には、リフレッシュ休暇、誕生日休暇といった特別休暇が用意されたり、育児に合わせ男性も女性も時短勤務の調整ができたり、在宅勤務を推進するユニークな企業もあります。
文系の方を対象にITの仕事を紹介
とはいえ、情報系の勉強をしてきていない「IT未経験者」がITエンジニアとして働いていけるのか不安ですね。
また、IT企業は仕事の様子をなかなか知る機会がありません。このため「技術者だらけの職場はしーんとして堅苦しそう」「人と話すことが少なさそう」など、知識不足も就職先としてのハードルを上げてしまうようです。
でも実は多くのIT企業で文系出身の社員が、プログラマーや企画営業などとして活躍しています。なかには社員であるエンジニアの5〜6割が文系出身者というIT企業も。「ITワーク」は理系出身者の仕事とは限らないのです。
「伊達なICT-WORK」の業界研究は、こうしたIT業界のことを理解していただけるようなプログラムが用意されています。
文系出身の若手社員の生の声が聞けることもポイントです。
参加するとこのようなことが分かります。
- IT業界の知識
- どんな職種がありどんな仕事をしているのか
- 文系から入社した社員は、いつ、どのように技術を学んだのか
- 職場の雰囲気や残業の量
- 苦労したことは何か
- 嬉しかったこと・やりがい …など
ざっくばらんなトークスタイルですので、気軽に、普段入手するチャンスが少ないIT業界の貴重な情報を得ることができます。
文系出身若手社員のトーク風景(東北工業大学様、宮城学院女子大学様)
「伊達なICT-WORK」業界研究 参加者アンケートのレポート
それではレポートです。 各校のイベント参加者に行ったアンケートの回答を覗いてみましょう。 (有効回答数51) (東北工業大学、宮城学院女子大学、山形大学 小白川キャンパス)-
Q1.【参加前】業界のイメージ
- まずは、”文系”の学生の方々が抱くIT業界のイメージを見てみましょう。 皆さんはどのようなイメージをお持ちでしたか。
-
Q2.【参加前】IT業界への就職志向は?
- 続いて業界への就職志向です。多くの文系の方は、IT業界を就職先の選択肢に考えていないことが分かります。馴染みが薄いことも関係しているようです。
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Q3.【参加後】IT業界への就職志向は?
- 実際に参加した方々の意見はどうでしょうか。 IT業界に「就職したい」「ぜひ就職したい」を合わせると半数以上の63%に上昇しました。
-
Q4.「Q3」の理由
- なぜ「就職したい/就職したくない」と思ったのか、アンケートに寄せられた声を詳しく見てみましょう。(自由記入欄より)
- 就職・慎重派の声
-
“プログラミングが難しそうと考えるためです。”
“興味が湧きましたが、他の業界もよく調べてから選択肢に入れたいと思ったため。”
- 技術がないとやはり仕事をこなすのが難しそうだから。
- デスクワークは苦手。体を動かしたり、積極的に人と関わる営業職につきたいから。
- IT業界への知識が無さすぎるから選択肢にできない。
- 接客業に興味があるから。
- 就職・積極派の声
-
“自分が創ったものが世の中に出るなんて素敵だと感じたためです。面白そうです。”
“人と接する職につきたいと思っていましたが、その機会があるならIT業界も選択肢に入れたいと思いました。”
- 選択候補は広いほうがいいと考えているため。
- 初心者が就職してもやっていけそう。
- 考えていたよりチームワークが必要そうな仕事だったため興味が湧いた。
- 生活に余裕が持てていそうだから。
- その他
- 他にやりたい仕事があるから。
- 営業職にしか興味がありません。
- パソコンが苦手なので向いてないと思った。
-
Q5.あなたの考える「IT企業で働く魅力」は何ですか
- セミナーの後、東北工業大学の学生のご協力を得て、選択肢を提示しご回答いただきました。(複数回答) 圧倒的に関心が高かった点は、安定感のある正社員雇用が多く休日も確立していること。プライベートの時間を確保し、良好なワークライフバランスを築けるかどうかへの関心が高いようです。 皆さんの考える「ITワーク」のイメージと比較し、いかがでしょうか。
- Q6.【参加後】IT業界のイメージに変化があれば教えてください
- セミナーを受けた方の感想をお伺いしました。(自由記入欄より)
- 仕事について
-
- 文系でも役に立つことが多いと感じた(コミュニケーション能力や英語)
- 人とのコミュニケーションが多いことに驚いた。人と関わらずずっとパソコンの前にいると思ってた。
- あまり残業がなかったこと。
- 土日休みが意外だった。安定感があることに心ひかれた。
- 技術について
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- 入社してプログラミングの勉強をしても間に合うというのが意外だった。
- 文系もついていけそう。
- 文系・理系というのはあまり関係なく、理系の専門性の高い分野だと思っていた私としては大きくイメージが変わった。
- プログラミングは男性がほとんどだと思っていたため女性の話をきけて今までのイメージが変わった。
- その他
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- ITの仕事が好きで働いている人が多く、労働環境などの束縛はなかったこと。
- IT業界は東京などの大都市だけに仕事があると考えていました。しかし地方にも仕事が沢山あることを知り、地方でも働きやすい業界と感じました。
- 地元でも働くことができる業界であることから、興味が湧いた。
- ITというとパソコンにずっと向き合っているイメージでしたが、お客様の種類が思ったより様々で、アクティブな業界というイメージに変わりました。
- 意外に就職口が多そう。